F35 とトルコ
https://article.auone.jp/detail/1/4/8/162_8_r_20190402_1554167841613740
F35の開発国の一つであるトルコがロシア制のミサイルであるS400の調達計画に、アメリカが反発して機器の出荷を停止したそうです。
ロシアのS400は地対空ミサイルである。
これは1990年代末と冷戦直後の時期から開発されたらしい。ロシア側の主張によると射程距離は400kmもあるそうだ。従来のS300の射程距離である90kmと考えると性能向上は著しい。
また他の系列ミサイルも運用できるらしく、それらの射程距離はさらに長くなる。
輸出先には中国などがある。
その中でもトルコとはイスタンブールで開かれた第9回国際防衛産業フェアで購入意欲を示していたそうだ。
(https://ja.m.wikipedia.org/wiki/S-400_(%E3%83%9F%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%AB)
ちなみにトルコから射程距離400kmはこのぐらいだ。
黒海やシリアにも届く範囲と思われる。
これらはアメリカが中東で軍事作戦を行う際に不都合なものになる。
こうしたS400の性能に危機感を覚えてアメリカは機器の出荷を停止したのだろう。
ちなみにトルコはF35 の開発国の中でもレベル3である。
このレベル3とはF35の開発計画の元となる統合打撃戦闘機計画(Joint Strike Fighter Program)と言われる中で出資額により区分されたものである。
統合打撃戦闘機計画も19990年代末と冷戦直後に始まったものである。冷戦終結によりアメリカの国防予算削減圧力が強まった。これを回避するために、そしてハイテク機器による高額化を抑える必要が出てきた。
こうした動きはアメリカ海軍当初の予算編成と似ている気がして面白い。
開発費抑制のため空軍、海軍、海兵隊の三種の共通後継機となるようになった。
だが、これは開発の長期化も招いた。
以上のように一つの兵器で国家間に亀裂が生じる現象は興味深い。
政治・外交・軍事が密接になっている様子が垣間見える。