イラン情勢変化による石油価格と日本の再エネ事業&G20と欧州議会選挙
今日の日経を読んでると地政学的な話題が豊富だったのでいくつか取り上げていきます。
まず石油価格、特にドバイ原油の価格が上昇しているようです。
これはもともとイランと米国が対立しており、米国がイラン産原油の禁輸をしました。
さらにイランと対立しながら米国に接近しているサウジアラビアも石油タンカーがイラン関与が疑われているドローン攻撃を受けたことから対立関係に引きずり込まれています。
そうした影響からアジア市場にとって重要な石油産出国となっているドバイ原油のスポット価格が上昇したということです。
この現象はまさに地政学的と言えるでしょう。
具体的に図式化してみました。
これによりホルムズ海峡を通過する石油ルートが政治的背景から不安定になりました。
この影響は日本の原油価格上昇にも大きく影響してきます。
そうしたリスクを少しでも抑えるために日本では再エネ事業を2030年度までに30%まで引き上げる目算を立てています。
しかし日本では例えば太陽光発電は北海道や九州など土地が広いところでは適しているが、本州では難しいといった問題点があります。
これを改善するために東京ー東北ー北海道の電力を連結線を用いて接続させる事業を行おうとしています。
しかしながら北海道や九州などでは連結線の事業に投資しても利益を見込めないと慎重論を示しており、実施が困難だと見込まれています。
このように地方ごとの土地の特徴で事業の是非が判断されてるなど、地政学的な一面が見受けられます。
話を戻します。
さらに6月に行われるG20を前に米中貿易の展開がどうなるか話題になっています。
アメリカ 側としては早期に妥結させることで自国の強さを支持者に見せたいという狙いがあります。
アメリカの経済制裁により中国の景気悪化は避けられない事態となっています。
個人的にはこうした中国の景気悪化が国内の政治を不安定化させ、共産党が愛国運動の一環として軍事活動を活発化させてしまうことを恐れています。
中国が2010年以降採用しているA2ADを背景に周辺国に圧力をかけ、自国の経済圏にしてしまおうという動きが出てくるかもしれません。
これはアメリカ にとっては自由で開かれたインド太平洋戦略を進める上で阻害となる要因になります。
こうした状況が米中双方でエスカレートしていくと米ソ対立の冷戦期にまで発展する事態となりかりません。
またG20でも米中の利害対立により有意義な会議にできなくなる可能性もあります。
以上が米中対立におけるG20のことでしたが、欧州会議を控えて西欧でも不穏な空気が立ち込んでいます。
23日〜26日に行われる欧州議会選挙を前に各国でEU懐疑派などが台頭しているようです。
ドイツのための選択肢は議席を11まで伸ばし、同国議会において第三党にまでになっています。
またフランスではマクロンの親EU的な政策に反対する国民連合も議席を伸ばしています。
さらに移民政策に反対するイタリアの同盟も26議席まで勢力を拡大しています。
こうしたEU内での対立も国際政治・経済に大きな影響を与えることになりそうです。
最終的にイラン・中国と対立しているアメリカ と欧州議会選挙のEU懐疑派の台頭、そしてそれらによるG20の波乱が巻き起こりそうな国際情勢が地政学的にも見ることができます。
内容が多すぎて煩雑な感じになってしまいましたが、今日はこれにて以上とします。
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