三国協商と米中関係の今後
第一次世界大戦について今日は少し触れてみたいと思います。
第一次世界大戦はサラエボ事件を発端にして始まりましたが、当初の想定よりも戦線が拡大し多数の戦死者も出した戦争です。
戦線の拡大の理由についてはさまざまな要因や説がありますが、当時の世界をほぼ支配していたイギリスに対するドイツ帝国の挑戦的な行動が周辺国にまで影響を与えたと考えられます。
その影響として例えば露仏同盟が挙げられます。
露仏同盟はドイツ帝国とオーストリア・ハンガリー二重帝国との間の同盟関係に対抗して結ばれたものです。
こうした思考は地政学的思考そのものと言っても過言ではないと思います。
さらに時が経つと露仏関係にイギリスが加わります。イギリスの参戦により第一次世界大戦の勢力図が一変します。いわゆる三国協商です。
またアメリカも無制限潜水艦作戦の被害を受けて参戦を決断します。
イギリスとアメリカは以前からアングロサクソン主義という共通の価値観のもとで協調関係を育んできました。
米英関係は初めの頃はそれほど仲がよくありませんでしたが、次第にアメリカの拡大とイギリスの衰退により手を組むようになりました。その際に先ほど出てきたアングロサクソン主義というイデオロギーを存分に活用しました。
以上が第一次世界大戦についてざっくりまとめたものです。
どうしてこの戦争に触れたのかというと、最近第一次世界大戦関連の本を読んでたのでそれを簡単にブログでアウトプットするのが目的でした。
では第一次世界大戦から応用して現在の米中関係の今後も予測してみたいと思います。
今アメリカと中国は貿易戦争をしています。
これは現代の武器を使わない戦争の典型例でしょう。
第一次世界大戦と米中貿易戦争の'戦争'の意味合いや目的も全く異なります。
米中貿易戦争はお互いの世界における優位を示す目的です。
今はアメリカと中国が対立してますが、もしかしたら第三勢力が台頭してくれば米英関係のように協調姿勢を取るようになるかもしれません。
しかし決定的に違うのは米英関係はアングロサクソン主義というイデオロギーのもとで関係を築けましたが、米中関係は資本主義と共産主義というように相反するイデオロギーとなっています。
つまりイデオロギーという変数で関係を改善する手段はとれません。
となると米中の共通する利害関係は何かを考えなければいけません。
しかしなかなか難しいです。
地政学的にアメリカはシーパワー+ランドパワー、中国はランドパワーと根本的なところから異なるからです。
一応の解決策としては昨日の記事でも取り上げたソフトパワーという概念が有効かもしれません。
戦争しか解決手段がない事態になる前に、お互いの歴史や文化をもっと知る必要があると思います。
アメリカは一方的に中国は悪いというイメージを持っているように見えますが、日本人からしたらアメリカは中国のことを知ろうとする姿勢が欠けていると思わざるをえません。
日本にとっても中国が脅威であるという点は否めませんが、だからといって中国=悪と短絡的な思考になってもいけないはずです。
これからは兵器を使った戦争という手段は取りづらくなってきてます。兵器が現代化していく中で地球を簡単に破壊する威力を持つようになりました。
第三次世界大戦が起きてしまえば、第一次世界大戦とは比にならないほどの被害を出すことになるでしょう。
戦争以外の手段で平和を模索していかざるを得ない時代になったと思います。