地政学が好きな大学生による日常記録

地政学を軸として日々思いついたことをつれづれなるままに書いてくブログです。

海洋国家としてのアメリカ パート2

第1章を読み終わったので、自分の考察も少し交えながら感想を書こうと思います。

この章をお書きになったのは阿川尚之氏です。

経歴は慶應義塾大学法学部政治学科に進学するも留学先であるアメリカのジョージア大学での滞留が長引いたため慶應義塾大学を退学する。

その後留学先で卒業してからソニーに入社するも退社し、紆余曲折を経て現在は同志社大学法学部の特別客員教授慶應義塾大学の名誉教授として着任されている。

小説『春の城』でデビューした阿川弘之氏を父に持つ。

 

閑話休題

 

では、感想に移りたいと思います。

この章ではアメリカ合衆国の連邦制になるまでを憲法の観点から書いており、またその中で海洋国家にいたるまでの海軍設立までの経緯を述べています。

個人的に面白いとおもったのは、アメリカはイギリスの植民地から独立したという背景を持ってして自国内で確立できる反連邦派(大陸国家)と積極的に海洋進出を狙う連邦派(海洋国家)で議論が分かれていた点です。

 

大陸国家と海洋国家は地理的影響で区分されますが、アメリカは国土の性質上どちらになる可能性もあってその上で現在に至ったとなると地政学的には非常に珍しい国家と言えます。というか、一国が大陸国家・海洋国家のどちらも併せ持つことができたのが世界でもアメリカだけだと考えるのそれもそうだという感じです。

 

アメリカの建国の祖たちに焦点を当てながら連邦制にいたるまでを描いています。

よくこの時期の資料として『the fedelalist papers』が文献に挙げられているので、ここら辺も時間があれば読んでみたいと思います。

 

そしてまた面白い点としては海軍設立時にも議論が分かれていたことです。

これは連邦制の話とも繋がるのですが、連邦制を維持するためには当時の列国を刺激する可能性が高くなるかもしれない強い海軍保持をしなければいけません。ですが、このような常備軍は自由を侵害するかもしれないと海軍設立反対派は反論していました。また若いアメリカにとっては現実的に海軍を持つ予算が足りないことも論点に上がりました。

 

個人的にはこの海軍設立反対派が主張した自由という観点に興味を持ちました。なぜならこの当時の状況をが、今の日本の自衛隊が置かれている状況にそっくりだなと思ったからです。

 

日本国憲法9条では『日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。(Wikipediaより引用)』と規定されています。

 

これはアメリカが作成に関わった背景から考えると、建国当時のアメリカで常備軍を持つことに対する賛否両論が起こっていたのでのちの日本でも影響が出てくることをアメリカ側は想定できたと思います。現に日本はこの条文で政治的に苦しい立場に置かれています。

 

アメリカが海軍設立を認めたのは建国当時に起きたフランス革命の影響で海賊に自国の船が沈められたことが挙げられます。

日本も今の国際状況を鑑みると自国が危険と隣り合わせでいることがわかります。

しかしながらこのような現実を見ないで反対する集団が多いのが個人的には残念です。

もしかしたらアメリカのように日本も変われる可能性はあるかもしれません。

 

 

 

以上からこのように法律という観点からも地政学的に考察できるものはたくさんあると思います。法律系の勉強(特に国際公法)なども頑張ってみたいと思いました。

またアメリカの憲法のように、その法律内の言葉が持つ可能性も考察してみたいです。ここら辺は法哲学とも関わってくるかもしれませんが、挑戦してみます。

 

一章の感想は以上となります。また読み終われば続きを書こうと思うのでそれまでお待ちください。